AKG開放型ヘッドホン、「K612PRO」「K701」「K712PRO」のレビュー(ファーストインプレッション)をなぐり書き。
※一番下に2週間聞いた感想+10ヶ月後の感想も追加
Contents
K612PRO
すっきりしていて見通しが良い。クリア。爽快
ボーカルが近く、ボーカルの微妙なニュアンスを聞き取りやすい。ハキハキ、高音成分が強調されたボーカル。
シンバル、ストリングスなどの澄んだ高音が気持ち良い
割と元気な音
解像感も十分ある
低音は少なめだが十分に感じる。ボアつかないので邪魔にならない。聞きやすい。
ロックやPOPSも楽しいし、バラードも綺麗で感動できるし、アコースティック音楽も綺麗に鳴らす。万能。
音場は3機種の中で一番狭い
K701
音場が広い
ボーカルが遠くオケが大きく聞こえる。ボーカルがとにかく遠い
高音の量はK612PROと同じくらいか、少し出ていないかも
眠い低音。締まっているわけでもなく、パンチもなく、なのにちょっと多めに出ている
全体的に気品があり上質ではある
昔聴いたときは感動したものだが(その後売却)3年ぶりくらいに現行品を聴いてみると眠い音に悪い印象を持った。こんなんだったっけ?
解像感、分離感などの基本性能はK612PROより高いように感じる
スピードやテンポ感のない曲はK612PROより良いのかもしれない
K712PRO
マットブラック部分が超かっこいい
K612PRO・K701と比べてヘッドバンド・ヘッドパッドが柔らかい
AKGにしては高音の量は控えめ(きちんと綺麗には鳴っている)
割と質の良い低音が出るが、ベイヤーのような無骨な低音ではない。3機種の中で一番量が出ている。
ボーカルにオーラが纏う。厚い。K612PROのようにすっきり綺麗なボーカルではなく、ウォームでしっとり。歌声がハマるとめちゃくちゃ気持ち良い音。
K612PROに比べ、ボーカルの低音成分が強調されるので年齢が高めに聞こえることもある、逆にK612PROは若い印象の声を出す。
こう書くと女性ボーカルに合わないんじゃないか?と思われるかもしれないが女性ボーカルも非常に合う。これはこれで良い。
ボーカルの遠さで言うとK612PROよりほんの少し遠いかな。
K612PROより音場も広く解像度も高い。音場はK701と大差ないが、解像感はK701より少し上かな。
ドラムの自然さで言うとK712PROの方が良い。K612PROのドラムはポコポコ言う感じ。K712PROはスタジオで聞くドラムに近い。
総評
K612PROのコスパは異常。1本でなんでも楽しめる。澄んだ高音も最高。
K712PROも厚いボーカル+基本性能の高さで好印象。
K701は昔と音変わったのかな?音場広いだけの印象。ボーカルはどうでも良いという人には良いのかもしれない
最後に、AKGのこのタイプヘッドホンの装着感はフリーアジャスト、大型ハウジングで耳全部すっぽりで最高。なのでオススメ
追記:2週間じっくり聞いた評価・感想
エージング(もしくは耳エージング)の効果なのか、2週間で最初の印象と変わったところも。
高音の量・キラキラ感:K701>K612PRO>K712PRO
低音の量:K712PRO>K612PRO>K701
超低音の量:K612PRO>K712PRO>K701
アタック感・スピード感:K612PRO>K701>K712PRO
解像感:K712PRO>K701>K612PRO
音場:K712PRO>K701>K612PRO
響き:K712PRO>K701>K612PRO
立体感:K712PRO>K701>K612PRO
ボーカルの艶:K712PRO>K701>K612PRO
ボーカルのきらびやかさ:K701>K612PRO>K712PRO
ボーカルの近さ:K612PRO>K712PRO>K701
さて、私はK712PROの虜になってしまった。K712PROは最高だ。
本当に高中低のバランスが良く、各パートがそれぞれ主役に聞こえるレベルで主張しているのに、その混ざり具合が絶妙で1つの塊となった音も一級品。
とにかく音の立体感が素晴らしい。K712PROで聞いたあとに他のヘッドホンで聞くとペラペラに聞こえる。2Dと3Dくらいの差に感じる。
また高音が刺さらないので耳が痛くないのも○。質の良い綺麗な高音。
そして良く音が響く。もしかしたら過剰な味付けなのかも知れないが、このおかげか感動できる曲が増えた。特にこれで聴くスピッツの「若葉」のサビがとんでもなく良い。草野氏のボーカルまずよくハマり、プラス周りに様々な音が飛び交って本当にすごい。
HD650とK701の良いとこ取りした感じなのかも。
というわけでK712PROオススメ。
ただK701のキラキラ感、女性ボーカルの美しさもまた絶品なので手放せないかも・・
K612PROの出番は減りそう
追記:10ヶ月後
ATH-R70Xの導入により似たような傾向でアコースティック音楽寄りのK712PROの出番は減ってしまった。ATH-R70Xはオールラウンドに対応出来、つけ心地も良く楽なのだ。
そして現在は女性ボーカル専用ホンとしてK701が活躍している。K701で聴く女性ボーカルは本当に最高だ。ファーストインプレッションで「ボーカルが遠い、低音が眠い」と書いているがそんなことは感じなくなった。とにかく女性ボーカルが気持ちよく聴ける。発声の微妙なニュアンスがリアルに伝わってくる。シンセやバイオリンの輝くような美しい高音もエクセレント。K701をまだ聴いたことが無い人は試してみて欲しい。
K612PROは完全に引退しました。