「利用可能」という意味で広く使われている、「ご利用いただけます」という文句にいつもモヤっとする。
【「出来ます」の敬語は「いただけます」だ。】と断言しているサイトも沢山あるが、これは明らかに誤用だ。
「いただく」という言葉は「もらう」の謙譲語のため基本的に自分にしか使えない。
したがってこの文は「私はお客様にご利用いただけます」の「私はお客様に」を省略したものなのだ。
この文の敬語表現を取っ払ってみると、「私は客に利用してもらえるよ」となり、もっと言うと「私は客に利用してもらうことが出来るよ!」と主張しているのだ。
変だろう!!!!!!!!!!!私出てくんな!!!!!
言うなら「(お客様は)ご利用になれます」や「(お客様の)ご利用は可能です」だ。
しかし昨今はこの誤用が広まってしまって、大企業も平気でテンプレートのように使っている。終わった。完全に。どうやってもこの牙城は崩れそうにない。
そんなことを思いながらネットで「いただけます」を検索していたら2007年時点でこの状況を危惧していた記事を発見。
(一部抜粋)
「○○してもらいます」の謙譲語が「○○していただきます」
「○○してもらえます」の謙譲語が「○○していただけます」「○○してもらえる」とは、どういう意味だろうか? 「○○してもらうことができる」ということである。
さて、最初に例に出した「ご利用いただけます」であるが、これは「利用してもらえます」の謙譲語である。たとえば、店が客に対して使う以下のような表現
各種割引券を、ご利用いただけます。
は、
各種割引券を、利用してもらえます。
の謙譲表現である。果たして、ここまで読み進んでくれた読者には、この一文がいかに意味不明で変な日本語かをお分かりいただけただろうか(笑)。
そうそう、そういうことなのよ。詳しくはリンク先に記載されているが、「利用してもらえます」は意味不明なのよ。こういう理屈をすっ飛ばして【「出来ます」の敬語は「いただけます」です!よく使うので覚えておきましょう♪】なんてサイトが蔓延っている現状はどうにかしたいものだ。
「ご利用になれます」という綺麗で文字数も省エネな言葉があるのに何故そちらを使わないんだよ!!
もしかして「なれますじゃなくていただけますだろ!」ってクレーム入れる人がいるのかも・・・